当ステーションでは、小児や成人の方を対象としたリハビリテーションを実施しており、筋ジストロフィーをはじめとする神経・筋疾患の方への姿勢・呼吸・動作支援にも力を入れています。
今回は、成人の筋ジストロフィーの方の電動車いす作製の過程を通して、私たちが大切にしている視点についてご紹介します。

「座れる」だけでなく「楽に呼吸できる姿勢」を目指して

筋ジストロフィーでは、筋力低下により
・姿勢が崩れやすい
・呼吸がしづらくなる
・疲れやすい
といった課題が生じます。

今回の方も、車いすに座ること自体は可能でしたが、左側の体の支えが弱く、胸が十分に広がらないことで息苦しさが出る状態がありました。そこで、背もたれの角度やクッションの位置を細かく調整し、体を後ろからやさしく支え、胸が楽に動く姿勢を作ることで、呼吸のしづらさが軽減するよう調整しました。


「自分で動かせる」を大切にした電動操作の工夫

電動車いすでは、スティック(操作レバー)の操作を安全に行えることが重要です。
この方の場合
・肩を伸ばしすぎると痛みが出る
・指先の動きにも工夫が必要
といった課題がありました。

そこで
・アームレストの位置を調整
・肘の下にクッションを入れて腕を支える
・複数のスティックを試し、最も操作しやすい形を選択
・オリジナルの支柱を作成する
といった調整を重ね、「その人の動かしやすさ」に合わせた操作環境を目指しました。

長時間でも安心して使える姿勢づくり

調整後は、座位保持が行いやすくなりましたが、疲れや痰がたまりやすい様子もみられました。

そのため
・定期的に背もたれを倒して休憩できる設定
・左胸をやさしく支えるクッションを追加
・頭や体を無理なく動かせる位置調整
を行い、安全と快適さを両立した姿勢を調整しました。


一人ひとりに合わせた支援を

「座り方」「姿勢」などわずがな調整で、生活の幅が大きく広がります。
ご紹介した作製の過程は、利用者さんとセラピスト、技術者さんと何度も打ち合わせを行い完成することができました。
これからも、日々のリハビリテーションと共に、皆さまが安心して毎日を過ごせる支援を行っていきます。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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